神戸女学院美学研究会

神戸女学院美学研究会は、
神戸女学院大学の教員・職員・院生・学生と、その周辺の有志によって
1989年に設立されました。・・・会長からのご挨拶へ続く


2004年8月23日、Weblogを開設しました(http://blog.goo.ne.jp/kaloskagathos/)。新しい情報はこちらをご覧下さい。

神戸女学院美学研究会
2004年度第3回講演会のお知らせ

梅雨の憂鬱な季節です。夏休みまであと約ひと月余、という希望を胸に、日々多忙な暮らしを続けている私たちですが、むろん、季節の変化に翻弄されたり時流の混乱に動転しているわけではありません。着実に、黙々と、研鑚を続けるのみです。神戸女学院美学研究会の本年度第3回の講演会は、閔周植先生をお迎えして開きます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
 閔周植先生は韓国における美学研究の第一人者です。また、私たち美学研究会も関係し、今年で第12回を数える日韓美学研究会の創立者の御一人です。欧米の美学の動向に目を配りながら、同時にアジアの将来を見据えつつ、韓国・日本・中国の伝統美学・現代美学・現代芸術にも研究を続けておられます。その成果は、風流をめぐる徹底した研究と考察に示されてきました。今回の講演では、今日、アジア地域全体に広がっている、韓国の現代文化について、その流行の背景と文化的意味について語っていただきます。韓国は再放映中のテレビ・ドラマ「冬のソナタ」に象徴されるセンチメンタルな情緒、日本でも大ヒットした「シェリ」にはじまる強烈なアクション映画など、いまだ戦火への緊張状態が続く国で製作されたとは思われないほどの文化的インパクトを世界中に発信しています。それを、中国をはじめアジア全体で受け入れているのは、背景にある理由は何でしょうか。また、そのように表現力の豊かな映像は、韓国の伝統文化とどのように関わるのでしょうか。今回の閔周植先生の講演は、私たちのそうした素朴な疑問にヒントを与えてくれることでしょう。終了後、先生を囲んで茶話会と懇親会を開きます。時間に余裕のある方はそちらにもご参加ください。講演会、茶話会、共に参加無料です。

日時:2004年6月23日(水)2:40 p.m.―4:10 p.m.
場所:JD 101
講演:閔 周植(嶺南大学・京都国際日本文化研究センター)「<韓流>と韓国伝統文化」

2004年度KC美学研究会の講演会
第1回:4月21日Raffaele Milani(Bologna): “Aesthetics of Landscape”
第2回:5月25日 米山優(名古屋大学)「情報とは何か」
第4回 [予定]:7月12日 Richard Faulkner(ロンドン・Victoria & Albert Museum)
第5回 [予定]:7月21日 大野篤一郎(本学名誉教授)

主催:神戸女学院美学研究会(HP:http://kaloskagathos.hp.infoseek.co.jp/ )問い合せは浜下まで。 mailto: m-hama@mail.kobe.ac.jp
後援:神戸女学院大学研究所


Humeを読む会

第1回 03.5.2;18:00- At 西宮市大学交流センター、ACTA 6F セミナー室1

報告1:浜下昌宏(神戸女学院大学・美学)「ヒュームをどう読むか?」

報告2:会沢久仁子(大阪大学・院・臨床哲学)「私のヒューム研究」 

報告1:浜下昌宏「ヒュームをどう読むか?」

1、なぜHumeか?
――大衆化・俗化(secularization)による価値喪失の一方で主題無き擬似論弁的思弁(discourses)過剰という幻惑の企みばかりが氾濫する今日(ex-post-modern mannerism)にあって、懐疑的精神を失わずに冷静な観察と記述から出発し、体験を自覚的に経験として意識し、価値志向的に思索の回復を求める立場からは、Humeに学ぶのが適切であろう。

2、Humeの何を読むか?
――研究史的にはTreatiseとEssaysとの関係やそれぞれに込められた問題意識・主題という差はあるが、当面、最も体系的にHumeが思索を進めたTreatiseを虚心に読むことから始めよう。David Fate Norton and Mary J. Norton, “Substantive Differences between Two Texys of Hume’s Treatise,” Hume Studies Vol. XXVI, No. 2 (November 2000) に指示を受けて、テキストとしてはDavid Hume, A Treatise of Human Nature, edited by David Fate Norton and Mary J. Norton, Oxford Philosophical Texts (Oxford: Oxford University Press, 2000) を使用する。

3、Humeをどう読むか?
――セミナールとはテキストに即して逐語的に・主題的にコメンタリーを付けていく作業であると同時に、哲学することを学ぶ訓練の現場でもある。(Lockeを使った哲学入門書、John J. Jenkins, Understanding Locke: An Introduction to Philosophy through John Locke’s Essay, Edinburgh: The University Press of Edinburgh, 1983 の試みが参考になる。)Treatiseに関する本格的なrunning commentaryの研究・注釈書は未だ現れていないが、Oliver A. Johnson, The Mind of David Hume: A Companion to Book I of A Treatise of Human Nature (Urbana and Chicago: University of Illinois Press, 1995)などは参考になるだろう。解釈の限界は知識(勉強量)と知恵(思索力)の限界でもあろうが、己の非力にめげずに可能な限りの深い読解を継続していきたい。参加者による個々の解釈における貢献によって、個々人における知恵足らずという宿弊は相互補完的に克服されるだろう。

報告2:会沢久仁子「私のヒューム研究」

 著者による卒論(マックス・シェーラー論)以来の感情に基づく道徳哲学への関心から、現在のヒューム研究を介してのケア倫理学の取り組みを、既発表の2論文、「事物と心―ヒューム『人間本性論』より―」(『メタフュシカ』33、2002)と「慣れと親しみとケア―ヒュームを手がかりに」(『臨床哲学』4、2002)の紹介をしながら、とくに現在の問題関心について報告。報告後の質問にあったように、上記2論文をつなぐものが何であるかは明示されなかったが、しかし、理性による普遍性の権利主張に対する代替としての感情の評価が、前者における自己同一性の根拠としての感情による外界・他者との関係、後者論文における、理性的規範倫理学への批判としての共感によるケア倫理学の成立可能性の追求という、共に理性の見直しという立場は一貫している。ヒュームに即してケア論理学を構想する場合、シェーラーのような愛が論点とし得るかは問題であろうが、ケアの思想にはweak thought(Vattimo)的要素も視野に入るであろうし、またヒュームの趣味論に見る<delicacy> への注目も、改めて考察を要する。――というわけで、次回第2回の「読む会」は、浜下によるヒュームの趣味論における<delicacy>概念の紹介。

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2003年度第1回講演会報告

 講演会には学外から、滞日中のミケーレ・マラ先生(UCLA、米国)と松井朔子先生(シドニー大学、オーストラリア)、そして稲賀繁美先生(京都国際日本文化研究センター)が参加してくださいました。ローリック先生は日本語で、まずスミス・カレッジの歴史と現状について話をされ、それから本題の、アメリカにおける日本研究の展開について、ご自身の研究と体験をふまえながら話をしてくれました。――1870年に創立のスミス・カレッジは学生数も約2600人の女子大で本学と同規模。1970年代の女子大共学化の波にも抗して、現在は時代の流れを学部再編に活かしてアメリカの女子大で初めての工学部も創設。日本語学科は1970年代に開設。学生は人種的にも多様で、アジア系の学生も増えている。リベラル・アーツ・カレッジとして幾多の才媛を輩出、本学のデフォレスト先生も卒業生、また現在のブッシュ大統領の夫人も同様。――アメリカにおける日本研究の歴史は第二次大戦以前は宣教師のため、もしくは軍事的な情報員養成のために興った。1960年代と70年代初頭には、ケネデイの理想主義的な平和部隊(Peace Corp)の活動やベトナム戦争の教訓から国際化への関心とともに日本研究も発展するが、ブームは80年代から90年代にかけて。それは日本の経済成長への関心にもよるが、ビジネスマンのための日本語教育のみならず、文部省(当時)主導の英語教育重視政策のJET Programや、またアニメに代表される日本の大衆文化による影響も大きい。近年のアメリカの人口構成の変化(アジア系移民の増大)や学習動機の多様化は、日本研究のあり方にも作用するであろう。将来的には、カリキュラムとしての日本語教育は残るだろうが、新興の多数の移民である韓国系の学生のために韓国語・文化のプログラムを開設することが緊急課題。日本学の将来は不確定であるが、はたして学問となり得るかどうか、問題も多い。――講演後、社交館のKCCルームで先生を囲んで茶話会。その後、学内の茶室(松風庵)を案内してから「う家」で懇親会。いろんな話題が出て、たいへん刺激的かつ啓発された一日でした。

――井坂さんの感想:「Rohlich先生のお話は非常に興味深いものでした。Smith Collegeの共学にしないという理念、Women's Collegeの存在意義を考える事、これらは神戸女学院も直面している課題だと思います。女子大で学ぶとはどういう事なのでしょう。私もこの事について更に考えていきたいと思います。そしてアメリカにおけるJapanese Studiesが、その時代と社会が求めるニーズによって、正にchanging faceしているという貴重なお話を聞く事もできました。Rohlich先生のお話は、実に様々な示唆を与えて下さったように思います。」(井坂沙織、KC4年)


2003年度第1回講演会のお知らせ

 桜が咲いて2003年度が始まりました。神戸女学院美学研究会の本年度第1回の講演会は、アメリカのスミス・カレッジよりローリック先生をお迎えして開きます。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
 ローリック先生はスミス・カレッジで日本語・日本文化を教えておられますが、平安時代の中古文学研究の専門家です。今回、「アメリカにおける日本研究の変化」と題して講演をしていただきます。日本国内における日本学的研究に匹敵するほどの充実した成果と卓越した研究者を輩出しているアメリカの日本研究の現状と将来の展望について、興味深い提言が期待されます。講演は日本語と英語とまぜてなされる予定です。通訳はありません。なお終了後、新社交館にて先生を囲んで茶話会を開きます。時間に余裕のある方はそちらにもご参加ください。講演会、茶話会、共に参加無料です。

日時:2003年4月21日(月)1:30 p.m.―3:00p.m.
場所:本学デフォレスト館 D−208
講演:Thomas H. Rohlich, "The Changing Face of Japanese Studies in the U.S."

Thomas H. Rohlich, Professor of Japanese at the Department of East Asian Languages and Literatures, Smith College (USA)

著書・論文(抄)


第10回日韓美学研究会+第2回東方美学会のご案内


9月初旬に第10回日韓美学研究会・第2回東方美学会が神戸女学院美学研究会の主催により開催されます。詳細はこちら →
  • The Tenth Conference of Japan-Korea Aesthetic Studies Society & The Second International Conference of Eastern Aesthetics will be held in Kobe, Japan, 3-7 September, 2002. Further information →


お知らせ
  1. 日韓美学研究会・東方美学会についての会長よりのご挨拶を掲載しました。(8/5)。
  2. 日韓美学研究会・東方美学会の詳細な案内を掲載しました(6/6)。
  3. 日韓美学研究会・東方美学会の案内を掲載しました(5/28)。


2002年度神戸女学院美学研究会例会

1、4月5日:J. Derrick McClure(アバデイーン大学)
 「スコットランドの言語と文化」

2、4月16日:三好朝子(KC総文卒業生;ニューメキシコ大学修士)
 「フィルムースタデイーズを介したメデイア・リテラシイ」

3、5月28日:Trond Lundemo(ストックホルム大学)
 「When Old Media New; New Perspectives on Early Cinema」

4、7月5日:川島智生(本学講師)
 「神戸女学院の建築にみるヴォーリズのデザイン」


神戸女学院美学研究会2001年度例会報告

第1回(4月12日)
 Chester Michalik氏「Contemporary Japanese Urban Photos」
  • 第2回(7月2日)
     曹瑞泰氏「台日交流の目―移民史から見た台湾地位論―」

    第3回(9月28日)
     Leith Morton氏「与謝野晶子の「みだれ髪」と与謝野鉄幹の「紫」のモダニズム」

    第4回(10月1日)
     JAN SYKORA氏「プラハの街と芸術」

    第5回(12月26日)
     1、桑島秀樹(日本学術振興会特別研究員)「若きバークを求めて:バリドフ・バリトア・ダブリン―その幼・青年期をめぐるアイルランド調査報告―」
     2、蔵本典之(日本学術振興会特別研究員):「題未定」

     


浜下先生のかきもの

  1. 賢治研究を<学問>にしないために
  2. 書評:若桑みどり『象徴としての女性像―ジェンダー史から見た家父長制社会における女性表象』


日韓美学会第9回に参加者の感想

こちらからどうぞ


masahiRo & masahiTo の往復電子書簡

神戸女学院大学で美学を担当している浜下昌宏教授と哲学・倫理学を担当している高橋雅人助教授との間の往復電子書簡です。ご意見・ご感想をお待ちしております。

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